人口密度
出産を終えて退院。
家の中に人間が3人もいる生活がはじまった。
予定帝王切開での出産当日、夫がまさかの寝坊。
病院に着いたのが手術の15分前。
ブチブチにキレてたのでご機嫌斜めなまま時間がきて、手術室に移動。徒歩で。
手術台にも自分で上がる。
まあ確かに病気じゃないし余裕なんだけど、ちょっと光景がシュールだなって思いながら高めの手術台によじ登る私
そして麻酔。硬膜外麻酔。
背中の骨に刺すやつ。めちゃくちゃ痛かった。超痛かった。変な汗ドバドバかいた。当日お風呂入れないのに〜!とか思いながら3回くらい打たれた。この時点で心折れそう。
そして手術が始まるんだけど、麻酔効いてるのは胸から下だけだから全然意識ある。緊張して超喋る。
「もう切ってますか?」
「うわ〜ほんとだ!全然痛くない!」
「うわ足動かないwww」
「もう出ます?」
「血がwww」
めちゃくちゃ喋る。
執刀してくれる先生たちもめちゃくちゃ和やかな雰囲気でお喋りしながらガンガン切ってく。
つつがなく進行する手術
へその緒を首に絡めつつも元気に誕生する娘
意識はあるから産まれてすぐ横に連れてきてもらったんだけど
超小さいの、娘。
2562g。低体重ギリギリのライン。
頭とかソフトボールくらいしかない。片手で余裕の横抱きできるレベル。
そして超可愛い。
冗談じゃなく愛おしすぎて自分でもびっくりしちゃったんだけど超泣いた。体動かないから涙がガンガン耳に入る。拭いてください。
開いたとこ縫ってる間ももちろん痛みはなく無事に終了。もちろん帰りはベッドまで運んでもらえる。やったー!
そんなこんなで、体内で心臓が2個も動いてる不思議な時間が終わった。
スタートはここからなんですけどね
慣れない育児でまず死んだのは乳首だった。
四天王の中でも最弱だった。
「安らぎとコミュニケーションの時間♪ルン♪」みたいなイメージだった授乳が苦痛になってった。
次に睡眠不足で頭がやられた。プロローグにしてクライマックス!
このあと薬の副作用で胃がやられ、麻酔が切れて傷口がやられ、度重なる注射と点滴でメンタルにガンガン追い打ちをかけられる。せめて1回で刺してよ!
そしてこの病院、他のところよりも入院期間が長めに取られててここからやっと地獄の8日間がスタートする。決まった時間に出てくる病院食とは思えない重めなメニューの食事、食べた量のチェック、トイレの回数のチェック、様子を見るためにグイグイ押されるお腹、点滴の針刺したままの授乳、etc.
もちろん仕事がある夫は毎日来られるわけじゃなかった。来られるとしても会えるのは1時間前後で、授乳が苦痛になってしまったこの頃はその1時間だけを楽しみに、入院スケジュールに星マークつけて生きながらえてた。
入院中は雨が多かった。出産の日も雨だった。
その雨のなか仕事終わりに長い坂道を自転車で30分近くかけて会いに来てくれた夫、天使か…出産時の寝坊を忘れそうになるくらいの感謝でいっぱいです。忘れはしないけど
あと痛かったのは抜鉤。傷口止めてるホチキスみたいなやつの針抜くの。毛抜きくらいって言ったじゃん!何本抜く設定だよ!超痛かったよ!
これも緊張で超喋りながらなんとか乗り越えた。でも先生と看護師さんに慣れてきた私
「普通に痛かったですよ!!!」
言ってやった!!痛かったもん!
処置室出たら次に抜鉤するの待ってた産婦さんが外でありえん怯えた顔で座ってた。外にも全然声聞こえるんだよねあそこ。ゴメン…
こんな感じでお世辞にも「長いようで短かったわ〜!」とは言えない長い長い入院期間が終わった。病院出た足でマックに行きました。テイクアウトで!てりやき!美味しかったです!
そして帰ってきたんだけど、家最高か!こんなに最高なもの?!自分のタイミングでごはんが食べられる!針刺されない!トイレ報告しなくていい!何より毎日夫に会える!!きつかったらお世話代わってもらえる!!
そして退院当日、即飲酒喫煙をキメました。
もちろんしばらくは娘を夫に任せてしまうことになるんだけど
これがサイッコーーーーだった…夢のようだった…変な脳内物質ダバダバ出た…
でも気づいてしまった…娘が気になって酔えない…
それでもアルコールが生きがいだった私にとってはすごく大事な時間だったので良かった。
「定期的にお酒と焼き鳥の会しようね」と言ってくれる下戸の夫、理解がありすぎる。ラブです
まだ子育てがはじまって日が浅いけど既にこまごましたトラブルが頻発してる(哺乳瓶からなぜかミルクが出ないとか母乳が止まるとか)
でもどうにか夫と二人で娘を育てていきたい。
帰りの遅くなりがちな夫に代わって娘を守っていかなきゃなんない。
プレッシャーというかストレスというか、押し潰されそうになってもう何回か泣いてしまったけど
娘はめちゃくちゃ可愛い。本当に愛おしい。
二人暮らしが終わること、未熟な自分が子育てをすること、不安が死ぬほどあったけど
それを娘にぶつけてしまうんじゃないかって心配してたけど、杞憂だったかもしんない。
やっていけると思う。
私の遺伝で完全に五体満足というわけじゃなかったけど
元気に産まれてきてくれてありがとう。これからよろしくね